
歯周病、諦めていませんか?
「最近、歯ぐきから血が出る…」「歯がグラグラする気がする…」 もしあなたがそんな歯周病のサインを感じているなら、それは歯を失うかもしれない危機感と隣り合わせかもしれません。歯周病は、日本人が歯を失う原因のトップであり、静かに進行するため、気づいた時には手遅れということも少なくありません。
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)や歯と骨をつなぐ歯根膜といった「歯周組織」が破壊されていきます。一度失われたこれらの組織は、従来の治療法では元に戻すことが非常に難しいとされてきました。そのため、「いずれ歯を抜くしかないのか…」と諦めかけている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ご安心ください。現代の歯科医療は日々進化しており、失われた歯周組織を再び「再生」させる「再生療法」という画期的な治療法が登場しています。この再生療法は、歯周病で傷ついた組織を回復させ、大切なご自身の歯を守るための新たな希望となるかもしれません。
&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科では、「大切な人にする歯科医療をあなたに。」という理念のもと、歯周病で悩む患者様一人ひとりに最適な治療を提供するため、この再生療法にも力を入れています。今回は、この再生療法について、その種類やメリット、当院での取り組みまで、詳しくご紹介していきます。
再生療法とは
再生療法とは、歯周病によって破壊されてしまった歯槽骨や歯根膜といった歯周組織を、文字通り「再生」させることを目指す治療法です。従来の歯周病治療は、主に歯周病の原因となるプラークや歯石を取り除き、病気の進行を食い止めることが目的でした。しかし、再生療法は一歩進んで、すでに失われた組織そのものを回復させることに焦点を当てています。
歯周病が進行すると、歯周ポケットが深くなり、その中で細菌が増殖し、炎症が慢性化します。この炎症が歯を支える骨を溶かし、最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。再生療法は、この溶けてしまった骨や破壊された組織を、特殊な技術や材料を用いて誘導し、本来の状態に近づけることを目的とします。
従来の治療との違い
従来の歯周病治療の代表的なものに、スケーリング&ルートプレーニング(SRP)があります。これは、歯周ポケットの奥深くにある歯石や感染した歯根の表面をきれいに除去することで、炎症を抑え、歯周病の進行を止める治療です。SRPは非常に重要な基本治療ですが、一度失われた歯周組織を元に戻す効果は期待できませんでした。
それに対し、再生療法は「組織の回復」に特化しています。ただ病気の進行を止めるだけでなく、失われた歯槽骨や歯根膜といった組織が再び作られるように促すことで、歯をより強固に支え、歯の寿命を延ばすことを目指します。これにより、歯周病の根本的な改善と、お口全体の健康維持に貢献できる可能性が高まります。
再生療法の種類と仕組み
再生療法にはいくつかの方法がありますが、主に以下の2つの方法が広く用いられています。
GTR法(組織誘導再生法)
GTR法(Guided Tissue Regeneration:組織誘導再生法)は、歯周病で骨が失われた部分に「メンブレン」と呼ばれる特殊な膜を設置することで、歯周組織の再生を促す方法です。
仕組み: 歯周病によって歯槽骨が破壊されると、そのスペースには歯ぐきの細胞が入り込もうとします。しかし、歯ぐきの細胞は増殖スピードが速いため、骨や歯根膜の細胞が再生する前にスペースを埋めてしまい、骨の再生を妨げてしまうことがあります。
GTR法では、この速く増殖する歯ぐきの細胞が骨欠損部に入り込むのを防ぐために、**生体吸収性の膜(メンブレン)**を設置します。この膜によって、骨や歯根膜の細胞がゆっくりと時間をかけて増殖し、失われた組織が再生するための「空間」と「時間」を確保するのです。
(イメージ図:メンブレンが骨欠損部を覆い、歯ぐきの侵入を防ぎながら骨の再生を促す様子)
エムドゲイン®などの薬剤を使った方法
エムドゲイン®は、スウェーデンのビオラ社で開発された、歯周組織の再生を促す薬剤です。エムドゲイン®ゲルは、歯が生えてくるときに歯周組織の形成を促すタンパク質(エナメルマトリックスタンパク質)を主成分としています。
仕組み: 歯周病で炎症が起き、破壊された歯根の表面をきれいにした後、エムドゲイン®ゲルを塗布します。このゲルに含まれるタンパク質が、歯周組織の再生に必要な細胞の増殖や分化を促し、新しい歯槽骨やセメント質、歯根膜といった組織の形成を誘導します。これは、まるで歯が生えてくる時の環境を再現するようなイメージです。
エムドゲイン®以外にも、骨補填材を併用したり、様々な薬剤が再生療法に応用されています。これらの方法は、それぞれ患者様の歯周病の状態や骨欠損の形によって使い分けられます。
再生療法のメリット
再生療法は、歯周病で深刻なダメージを受けたお口にとって、非常に大きなメリットをもたらします。
自身の歯を残せる可能性が高まる
これが再生療法の最大のメリットと言えるでしょう。歯周病が進行し、歯を支える骨が失われると、歯はグラグラになり、最終的には抜歯せざるを得なくなります。再生療法によって失われた骨や歯根膜が再生されれば、歯を支える力が回復し、ご自身の歯を長く使い続けることができる可能性が高まります。抜歯を避けたい、自分の歯を大切にしたいと願う方にとって、これは非常に重要な意味を持ちます。
咀嚼機能の回復と審美性の改善
歯をしっかりと支える骨が再生することで、グラグラしていた歯が安定し、食べ物をしっかりと噛めるようになります。これにより、食事が楽しくなり、消化器官への負担も軽減されます。また、歯周病によって歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、歯と歯の間に隙間ができたりする審美的な問題も、骨の再生により歯ぐきのラインが改善され、見た目も自然で美しい口元を取り戻せることがあります。
将来的なインプラント治療などの負担軽減
もし歯周病が進行しすぎて抜歯となってしまった場合、その後の選択肢としては入れ歯やブリッジ、インプラントなどが挙げられます。特にインプラント治療を検討する場合、骨の量が不足しているとインプラントを埋入できないことがあります。その場合、事前に骨造成手術が必要となり、治療期間や費用、身体への負担が増大します。再生療法によってご自身の骨が回復していれば、将来的にインプラントが必要になった際の負担を軽減できる可能性もあります。
再生療法が適用されるケースとされないケース
再生療法は万能な治療ではありません。適用できるケースとそうでないケースがあります。
こんな症状の方におすすめ
- 垂直性骨吸収がある場合: 歯を支える骨が垂直方向に深く失われている「骨欠損」がある場合、再生療法によって骨の再生が期待できます。これは、エムドゲイン®やGTR法が効果を発揮しやすい典型的なケースです。
- 重度の歯周病で歯の動揺(ぐらつき)が大きいが、抜歯は避けたいと強く希望される方: 歯周病がかなり進行しているものの、ご自身の歯を残すことに強い意欲がある方にとって、再生療法は最後の砦となることがあります。
- 歯周外科治療が必要と診断された方: 歯周ポケットが深く、一般的な歯周病治療では改善が見込めない場合に、歯周外科手術と合わせて再生療法が行われることがあります。
- 全身状態が安定している方: 糖尿病などの全身疾患がある場合でも、コントロールされていれば適用できることがありますが、状態によっては慎重な判断が必要です。
適用が難しいケース
- 骨欠損の形態が再生に適さない場合: 骨の破壊のされ方によっては、再生療法で十分な効果が得られないことがあります。骨の壁がほとんど残っていないような状態では、再生が困難です。
- 喫煙者: 喫煙は血管を収縮させ、血流を悪化させるため、組織の治癒を著しく阻害します。再生療法の成功率が低下するため、禁煙が強く推奨されます。
- 重度の全身疾患がある方: コントロールされていない糖尿病や免疫抑制剤を服用しているなど、全身状態によっては治療ができない場合があります。
- 口腔衛生状態が極めて悪い方: 治療後も適切な口腔ケアが維持できない場合、再生した組織が再び炎症を起こすリスクが高いため、適用が難しいことがあります。
- 抜歯が必要なほど歯の動揺が著しい場合: あまりにも歯の動揺が大きく、残すことが難しいと判断された歯には、再生療法を行っても効果が期待できません。
再生療法は、患者様の口腔内の状態、骨欠損の形態、全身状態、そして何よりも患者様ご自身の治療への意欲によって、適用できるかどうかが決まります。まずは専門的な診断を受けることが何よりも重要です。
治療の流れと注意点
再生療法は外科的な処置を伴うため、一般的な治療よりも綿密な計画と術後のケアが求められます。
治療の流れ
- 精密検査と診断:
- 問診で全身状態や病歴、喫煙習慣などを詳しくお伺いします。
- レントゲン撮影、CTスキャン、歯周ポケットの深さの測定などを行い、歯周病の進行度合いや骨欠損の形態を詳細に診断します。
- これらの情報をもとに、再生療法が適用可能か、どの術式が最適かを判断します。
- 治療計画の説明と同意:
- 診断結果に基づき、再生療法の具体的な方法、期待される効果、治療期間、費用、リスク、術後の注意点などについて、分かりやすく丁寧に説明します。
- 患者様にご納得いただいた上で、治療同意書にご署名いただきます。
- 初期治療(歯周基本治療):
- 再生療法を行う前に、口腔内の細菌をできるだけ減らすため、スケーリングやルートプレーニング(SRP)などを行い、歯ぐきの炎症を抑えます。これにより、手術の成功率を高め、術後の感染リスクを低減します。
- 再生療法の手術:
- 局所麻酔を行い、歯ぐきを切開して、歯周病で破壊された組織や不良肉芽を除去し、歯根の表面をきれいにします。
- GTR法の場合はメンブレンを設置し、エムドゲイン®を使用する場合はゲルを塗布します。
- 歯ぐきを縫合して手術は終了です。
- 術後のケアと経過観察:
- 術後は、適切な口腔ケア(歯磨き指導)や消毒を行います。
- 抜糸を行い、定期的に経過を観察しながら、歯周組織の再生状況を確認します。数ヶ月〜1年程度かけて組織が再生していくため、長期的な視点での管理が必要です。
- 再生が確認された後も、再発を防ぐための定期的なメンテナンス(PMTCなど)が非常に重要になります。
注意点
- 治療期間: 再生療法は、組織の再生を待つ期間が必要なため、数ヶ月から1年以上かかることがあります。
- 費用: 保険適用外となることが多いため、費用は比較的高額になる傾向があります。詳細な費用については、治療計画の説明時にご提示します。
- 術後の痛みや腫れ: 手術であるため、術後に痛みや腫れが生じることがあります。痛み止めや抗生剤を処方し、適切に対処します。
- 喫煙の制限: 喫煙は再生療法の成功率に大きく影響するため、治療期間中は禁煙が必須となります。
- 丁寧な口腔ケア: 術後の回復を促し、再発を防ぐためには、患者様ご自身による日々の丁寧な歯磨きと、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが不可欠です。
&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科の再生療法への取り組み
&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科では、「大切な人にする歯科医療をあなたに。」という診療理念のもと、患者様一人ひとりの歯と健康を真剣に考え、最先端の歯周病治療として再生療法にも積極的に取り組んでいます。
専門知識と豊富な経験
再生療法は、高度な専門知識と豊富な経験が求められる治療です。当院では、歯周病治療の経験が豊富な歯科医師が、綿密な診断と精密な手術を行います。患者様の口腔内の状態を正確に把握し、最適な再生療法をご提案するために、日々研鑽を積んでいます。
精密な診断と個別対応の治療計画
再生療法は、すべての歯周病患者様に適用できるわけではありません。当院では、最新のレントゲンやCTスキャンを用いた精密な検査により、歯周組織の破壊の状態や骨欠損の形態を詳細に分析します。その上で、患者様一人ひとりの症状、全身状態、ライフスタイル、そしてご希望を丁寧にヒアリングし、オーダーメイドの治療計画を立案します。再生療法が最適かどうか、もし適応外であればどのような治療が考えられるかなど、選択肢を明確にご提示し、患者様と共に最良の道を模索します。
充実した設備と衛生管理
安全で確実な再生療法を提供するためには、清潔な環境と充実した設備が不可欠です。当院では、滅菌を徹底した清潔な手術環境を整え、最新の歯科用CTなどの設備を活用することで、より安全で精度の高い治療を実現しています。
術後のきめ細やかなサポート
再生療法は手術だけでなく、術後の経過観察とメンテナンスが非常に重要です。当院では、手術後のケアや歯磨き指導を丁寧に行い、組織が順調に再生しているかを確認するために定期的に経過を診させていただきます。また、再生した組織を長期間維持できるよう、再発予防のための定期的なプロフェッショナルケア(PMTCなど)にも力を入れています。患者様が安心して治療を受け、その効果を長く実感できるよう、担当の歯科医師と歯科衛生士が連携し、きめ細やかなサポートを提供いたします。
歯周病の未来を変える再生療法
歯周病は進行すると歯を失う恐ろしい病気ですが、再生療法は、一度は失われた歯周組織を回復させ、ご自身の歯を守るための新たな可能性を開く治療法です。歯の寿命を延ばし、食べる喜びを取り戻し、そして自信に満ちた笑顔を取り戻すために、再生療法は非常に有効な選択肢となります。
大阪市中央区の&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科(アンドデンタル)では、谷町四丁目駅6番出口から徒歩4分、堺筋本町駅2番出口から徒歩6分とアクセスしやすい場所にあります。平日・土日も診療しており、お忙しい方でも通院しやすい環境です。
「大切な人にする歯科医療をあなたに。」を理念に掲げ、患者様一人ひとりの悩みに真摯に向き合い、最適な治療を提案させていただきます。もしあなたが歯周病でお悩みで、ご自身の歯を残したいと強く願っているのであれば、ぜひ一度当院にご相談ください。再生療法があなたのお口の未来を変えるかもしれません。
ご予約・お問い合わせ
お電話でのご予約・お問い合わせはこちら: 📞 06-4397-4350
ご予約フォームからもお問い合わせいただけます: https://and-dc.com/