親知らずの不安
親知らず(智歯)は、大人になってから一番奥に生えてくる永久歯です。その生え方や、抜歯が必要かどうかについて、多くの方が不安を抱えていらっしゃいます。
「本当に抜かなければいけないのだろうか?」「抜歯はひどく痛むのではないか?」「治療費はいくらかかるのだろうか?」
このような疑問から、痛みがあってもつい受診をためらってしまう方も少なくありません。
私たち&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科では、「大切な人にする歯科医療をあなたに。」という診療理念のもと、親知らずの抜歯においても、患者様一人ひとりの不安を解消し、安全で安心できる治療を提供することに尽力しています。
このブログ記事では、親知らずの抜歯に関する疑問や不安を解消するために、専門的な知見に基づいた情報を分かりやすく、網羅的に解説いたします。
この記事を最後までお読みいただくことで、親知らず抜歯に対する正しい知識と、当院での治療に対する安心感を得ていただけるはずです。
親知らずとは

親知らずは、前から数えて8番目、最も奥に生えてくる歯です。現代人の顎は小さくなる傾向があるため、親知らずが生えるための十分なスペースがないことが多く、斜めに生えたり、歯ぐきの中に埋まったままになったり(埋伏)することがよくあります。
生え方が悪く、ブラッシングがしにくい状態になると、さまざまなトラブルの原因となります。
抜歯の判断基準
親知らずを抜歯する必要があるのかどうかは、その生え方や症状によって異なります。必ずしもすべての親知らずを抜くわけではありません。
私たちは、将来的なリスクや現在の症状を総合的に判断し、患者様にとって最善の選択肢を提案します。
抜くべきケース
主に以下のようなケースでは、トラブルを未然に防ぐため、または症状を改善するために抜歯が推奨されます。
1.虫歯がひどい
親知らずは最も奥にあるため、鏡で見にくく、歯磨きが非常に困難です。そのため、気づかないうちに虫歯が進行していることがよくあります。
特に進行した虫歯は治療が難しく、再発のリスクも高いため、抜歯が最善となることがほとんどです。
2.炎症や腫れがある
親知らずの周りの歯ぐきが炎症を起こすことを「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」といいます。
疲労やストレスなどで免疫力が低下した際に、この炎症がひどくなり、強い痛みや腫れ、口が開けにくいといった症状を引き起こします。症状が繰り返す場合は抜歯が根本的な解決策となります。
3.歯並びを乱す
斜めに生えている親知らずは、手前の歯を強く押し、全体の歯並びや噛み合わせを乱す可能性があります。
特に矯正治療を検討している場合は、治療計画の一環として抜歯が求められることが一般的です。
4.噛み合う歯がない
親知らず自体が上下で正しく噛み合っていない場合、伸びすぎて対合の歯ぐきを傷つけたり、咀嚼(そしゃく)の機能を果たさなかったりすることがあります。
その結果、かえって口内の衛生状態を悪化させる原因になることがあります。
抜かなくても良いケース
一方で、親知らずを抜かなくても良い、または温存が推奨されるケースもあります。
1.きれいに生えている
上下の親知らずがまっすぐ生えており、正しく噛み合っている場合は、他の永久歯と同様に機能させることが可能です。
この場合、毎日の丁寧な歯磨きによって衛生状態を保てていれば、抜歯の必要はありません。
2.完全に埋まっている
親知らずが完全に顎の骨の中に埋まった状態で、将来的にトラブルを起こす可能性が低いと診断された場合、抜歯をせずに経過観察とすることがあります。
ただし、定期的なレントゲンやCTによるチェックが必要です。
3.移植に利用可能
将来、手前の奥歯が失われた際に、親知らずを移植歯として利用できる可能性があります。
この場合、抜歯はせずに温存することが推奨されます。
抜歯のメリット
親知らずの抜歯には、多くのメリットがあります。
- 口内の衛生環境が改善する:ブラッシングしにくい部分がなくなり、虫歯や歯周病のリスクが大きく低下します。
- 炎症(痛みや腫れ)の根本治療:智歯周囲炎の再発を防ぎ、口臭の原因を解消します。
- 歯並びへの悪影響を予防:斜めに生えた親知らずによる歯列の乱れを防ぎます。
- 手前の歯の寿命が延びる:隣接する歯の根っこが圧迫されたり、虫歯になったりするのを防ぎます。
抜歯のデメリット
抜歯は外科処置であるため、いくつかのデメリットやリスクも伴います。
- 術後の腫れと痛み:特に骨の中に埋まっている難症例の場合、数日間、頬が腫れたり、痛みが出たりすることがあります。
- 出血:処置後、数時間は出血が続きます。
- 一時的な感覚麻痺:下顎の親知らずを抜く場合、ごく稀に歯の根っこの近くを通る神経(下顎管)に触れることで、一時的に唇や舌にしびれ(麻痺)が出ることがあります。
- ドライソケットのリスク:抜歯窩(ばっしか:抜いた穴)にかさぶた(血餅)ができず、骨が露出してしまうことで、強い痛みが生じることがあります(詳細は後述)。
当院では、これらのデメリットやリスクについて、事前に丁寧にご説明し、最小限に抑えるための最善の処置を徹底しています。
痛みへの徹底対策
「親知らずの抜歯は痛みが強い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、現在の歯科医療では、適切な麻酔と対策により、抜歯中の痛みはほとんど感じません。
&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科では、患者様の痛みに対する不安を和らげ、リラックスして治療を受けていただくために、以下の対策を徹底しています。
1.麻酔の効き目を高める工夫
表面麻酔を塗布
注射針を刺す歯ぐきの部分にあらかじめ麻酔液を塗布します。これにより、注射針が入る際のチクッとした痛みを軽減します。
極細の注射針を使用
非常に細い注射針を使用することで、組織への刺激を抑え、注入時の痛みを最小限にします。
電動麻酔器の活用
麻酔液を注入する際、人手で注入すると圧力にムラが生じ、痛みを感じやすくなります。当院では、コンピューター制御された電動麻酔器を使用し、一定のゆっくりとしたスピードで麻酔液を注入することで、痛みを感じさせないように努めています。
温かい麻酔液の使用
体温に近い温度(人肌)に温めた麻酔液を使用します。冷たい麻酔液を注入すると、体温との差で組織が刺激され、痛みを感じることがあるためです。
2.術中の痛み対策
麻酔がしっかりと効いたことを確認してから、処置を開始します。
抜歯中に感じる「押されている感覚」や「引っ張られている感覚」はあっても、通常、鋭い痛みを感じることはありません。もし、少しでも痛みを感じた場合は、すぐに麻酔を追加しますのでご安心ください。
3.術後の痛みと対処法
麻酔が切れた後に痛みが出始めるのが一般的です。
痛み止めと抗生剤の処方
術前に、痛み止めと化膿止め(抗生剤)を処方します。麻酔が切れる前に痛み止めを服用していただくことで、痛みのピークを抑えることが可能です。
アイシングと安静
帰宅後、患部を冷やしていただく(アイシング)ことで、腫れと痛みを軽減できます。また、激しい運動や飲酒、喫煙は血行を良くし、腫れや痛みを増強させるため、数日間は安静にしていただきます。
痛み止めが効かない場合
処方された痛み止めが効かないほど強い痛みが続く場合は、炎症が強くなっているか、ドライソケットの可能性があります。この場合は我慢せず、すぐにご連絡ください。
難症例への対応
親知らずの生え方には個人差があり、中には高度な技術と設備が必要となる難症例もあります。
1.埋伏歯・水平埋伏智歯
親知らず 埋伏歯 抜歯は、難易度の高いケースの代表です。
埋伏歯とは
歯ぐきの中に完全に埋まったままになっている親知らずを指します。
横向きに完全に埋まっているものを「水平埋伏智歯」と呼び、手前の歯の根に強くぶつかっていることが多く、抜歯には歯ぐきの切開や骨の削合が必要となるため、比較的大きな外科処置となります。
当院の難症例への取り組み
歯科用CTによる精密検査
抜歯の前に、必ず歯科用CT(三次元画像診断装置)を使用して、親知らずと周囲の組織(特に下顎管内の神経や血管)との位置関係をミリ単位で把握します。
この精密な術前診断により、神経損傷などのリスクを最小限に抑え、安全かつ迅速な抜歯計画を立案します。
専門的な技術
当院の歯科医師は、難症例にも対応できる高い技術と豊富な経験を持っています。親知らずの頭や根を細かく分割して取り出す「分割抜歯」などのテクニックを駆使し、患者様への負担を軽減します。
抜歯時間の短縮
術前のCT診断に基づき、手順をシミュレーションすることで、実際の抜歯時間を短縮し、患者様の体への負担を減らすことを目指します。
抜歯の費用と保険
親知らずの抜歯にかかる費用は、その生え方の難易度によって異なります。多くの場合、保険が適用されますが、一部自費診療となるケースもあります。
1.保険診療の原則
通常の親知らずの抜歯は、健康保険が適用される「保険診療」です。
費用の目安
保険診療の場合、患者様が窓口で負担する金額は、治療費全体の1割~3割です。
- 単純抜歯(まっすぐ生えている):数千円程度
- 複雑な抜歯(歯ぐきの切開が必要):5,000円~8,000円程度(3割負担の場合)
- 難抜歯(埋伏歯、骨の切削が必要):7,000円~12,000円程度(3割負担の場合)
※これらの金額には、初診料やレントゲン、CT撮影、投薬などの費用が別途加算されます。
2.CT撮影の費用について
当院では安全のためにCT撮影を推奨していますが、CT撮影も保険適用となります。
CTによる精密な診断は、安全な抜歯を行う上で非常に重要です。
抜歯治療の流れ
&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科で親知らずの抜歯を行う際の一般的な流れは以下の通りです。
ステップ1:初診・カウンセリング
症状やお痛みの状況、抜歯に対する不安などを詳しくお伺いします。
ステップ2:精密検査(レントゲン・CT撮影)
歯の全体像がわかるレントゲン撮影に加え、必要に応じてCT撮影を行い、親知らずの根の状態、神経や血管との位置関係を三次元的に確認します。
この検査結果に基づいて、抜歯の必要性と難易度を診断し、治療計画を策定します。
ステップ3:治療計画の説明と同意
診断結果に基づき、抜歯の具体的な手順、所要時間、術後のリスク、費用について、分かりやすく丁寧にご説明します。患者様にご納得いただいた上で、治療への同意を得ます。
ステップ4:抜歯処置当日
- 麻酔:前述の痛み対策を施しながら、麻酔を行います。
- 抜歯:麻酔が効いていることを確認し、計画に基づき抜歯処置を行います。必要に応じて、歯ぐきの切開や歯の分割、骨の削合を行います。
- 止血・縫合:抜歯窩をきれいに洗浄した後、血を止めるための処置を行い、歯ぐきを縫合します。
- 術後説明:帰宅後の過ごし方、処方薬の服用方法、次回予約について詳しくご説明します。
ステップ5:消毒と抜糸(約1週間後)
抜歯後数日以内に一度ご来院いただき、患部の消毒を行います。
縫合した場合、通常1週間~10日後に再度ご来院いただき、抜糸を行います。これで治療は完了です。
抜歯後の注意点
安全に傷口を治癒させるためには、患者様ご自身のケアが非常に重要です。以下の注意点を必ずお守りください。
1.血餅を大切に
抜歯窩には、かさぶたの役割を果たす「血餅(けっぺい)」という血の塊ができます。これが治癒の土台となります。
- 強くうがいをしない:うがいを強くしすぎると、血餅が剥がれ落ちてしまう可能性があります。
- 指や舌で触らない:傷口に触れると、細菌が入ったり、血餅が剥がれたりします。
2.ドライソケットに注意
血餅が剥がれ、骨が露出してしまうと「ドライソケット」と呼ばれる状態になり、強い痛みを伴います。
ドライソケットになると、通常の痛み止めでは痛みが治まらず、治癒に時間がかかります。もし抜歯後数日経っても激しい痛みが続く場合は、すぐに当院にご連絡ください。
3.飲酒・喫煙・激しい運動の禁止
- 飲酒:血行が良くなり、腫れや痛みが増強し、出血が止まりにくくなります。
- 喫煙:タバコに含まれるニコチンなどが、治癒を妨げます。傷の治りが非常に悪くなるため、抜糸までは控えてください。
- 激しい運動・長時間の入浴:血行を良くするため、当日~翌日は控えてください。
4.食事の注意
麻酔が切れるまでは、唇や舌を噛むリスクがあるため食事を控えてください。
食事を再開する際は、抜歯した側で噛むことは避け、刺激物や熱すぎる食べ物、硬い食べ物は避けるようにしてください。
&DENTALが選ばれる理由

大阪市中央区で親知らずの抜歯を検討されている方は、ぜひ**&DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科**にご相談ください。
私たちは、精密な診断、痛みに配慮した治療、そして患者様への丁寧な説明を徹底することで、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
1.安心の立地と診療体制
| 項目 | 詳細 |
| 医院名 | &DENTAL谷町4丁目歯科・矯正歯科 |
| 所在地 | 大阪府大阪市中央区常盤町2丁目1番13号アドバンスビル本町1階 |
| アクセス | 谷町四丁目駅6番出口から徒歩4分・堺筋本町駅2番出口から徒歩6分 |
| 診療時間 | 平日・土日診療(祝日・GW・お盆休み・年末年始休みを除く) |
| 電話番号 | 06-4397-4350 |
平日だけでなく、土曜日・日曜日も診療していますので、お仕事や学業でお忙しい方も、ご自身のライフスタイルに合わせて通院しやすい環境です。
2.精密診断と専門性
歯科用CTを完備し、埋伏歯などの難易度の高い親知らずの抜歯においても、神経や血管を避ける安全な治療計画を立てます。これにより、治療の精度と安全性を高めています。
3.痛みに徹底配慮
「大切な人にする歯科医療をあなたに。」という理念のもと、すべての患者様を家族のように大切に考え、麻酔時の痛みを極限まで減らすための技術と工夫を惜しみません。

